brands2023年3月7日火曜日

コム デ ギャルソンの歴史を徹底解説! 人気ラインから伝説のコラボレーションまで

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オリジナル記事(英文) BY JOSEPH FURNESS

 

デザイナーの川久保玲が手がける Comme des Garçons(コム デ ギャルソン)は、<ユニバース>、つまり一つの<世界>とも表現されるように、複数のラインから構成された、まるで迷宮のように極めて複雑なブランドです。


コム デ ギャルソンが展開するラインには、その一つ一つに独自の世界観が存在します。複雑化しながらも、決して手を広げすぎて巨大になることはなく、こだわりを守り続けるコム デ ギャルソン。Comme des Garçons Homme Deux(コム デ ギャルソン・オム ドゥ)のブルジョワ的な視点からCDG(シーディージー)のロゴにあふれた世界まで、川久保の先鋭的な精神が斬新で実験的な方法で表現されているのです。

 

本記事では、そんなコム デ ギャルソンの歴史と各ラインの特徴、そしてコラボレーションについても詳しく解説します。
 

 

 

 

Comme des Garçonsの歴史

 

 

ブランド名の由来

 

Comme des Garçons は「少年のように」という意味を持つフランス語。フランスの歌手、Françoise Hardy(フランソワーズ・アルディ)が発表した 1962年の楽曲『Tous les garçons et les filles(男の子女の子)』から着想を得ているといいます。
 

 

創業者について

 

コム デ ギャルソンの創始者でありデザイナーでもある川久保玲は、ファッション史上最もパワフルな女性の一人です。1942 年東京生まれ。慶應義塾大学の文学部哲学科を卒業後、旭化成に就職しました。退職後はフリーランスのスタイリストとしてキャリアを積んでいます。

 

 

創業年

 

1969 年、川久保玲はコム デ ギャルソンのブランド名で婦人服の製造販売をスタート。そして 1973 年に株式会社コム デ ギャルソンを立ち上げました。

 

 

国内における発展

 

会社設立から 2 年後の 1975 年には、コム デ ギャルソンは東京ファッションウィークに参加し、青山に初の直営店をオープンします。こうして、次第に国内でファンがつき始めました。

 

 

<黒の衝撃>とパリコレデビュー

 

そして 80 年代に入り、ついにコム デ ギャルソンと川久保玲がファッションの<世界史>に名を残す瞬間が訪れます。1981 年のパリ ファッションウィーク、いわゆるパリコレで初のランウェイを披露したコム デ ギャルソンは、Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)と共に、華やかでグラマラスなスタイルが主流だった当時のモード業界に一石を投じました。黒を多用し、ほつれや穴をわざと残した<脱構築>スタイルには、当然賛否両論が巻き起こります。

 

欧米のエディターたちは、それを「ヒロシマシック」と評するほどでした。83 年の Le Figaro 紙は、「日本人は『レ・ミゼラブル』を演じている。(中略)このみすぼらしい悲観主義は、あなたのためのものではない。この継ぎはぎも、犬のリードのような紐も、適当に結ばれたぼろ布も、葬式用の真っ黒な服も、ばらばらにされた女の痣のような化粧も。<ぼろ>服のスノビズムが見せるのは不吉な未来だ」などと書いています。

 

しかし、こうした攻めの姿勢を評価するファンが広まり、日本では黒づくめのモードなファッションで固める人々を指す<カラス族>という言葉もできたほど。
 

 

「闘い続ける」川久保玲、MET 個展やイサム・ノグチ賞も

 

ブランド創業から現在に至るまで、挑戦の姿勢を崩さない川久保玲。2017 年にはニューヨーク・メトロポリタン美術館で、存命しているデザイナーの単独特別展としては同館史上初となる展覧会『Rei Kawakubo / Comme des Garçons: Art of the In-Between』が開催されました。

 

そして 2019 年、ファッションデザイナーとして初めてイサム・ノグチ賞を受賞。「ノグチが1970年に大阪万博で作品を発表して、『新しすぎる』からと拒否されたのを覚えています。その感覚はよくわかる。今もあまり状況は変わっていません。私はさらに戦い続けます」​​とのコメントを発表しています。
 

 

 

 

コム デ ギャルソンの人気ライン

 

コム デ ギャルソンには、複数のラインがあります。同ブランドの人気ラインをまとめました。

 

 

#01 Comme des Garçons

コム デ ギャルソン

 

1969 年〜  (会社設立 1973 年)

 

アバンギャルドな感性を核とした破壊的で示唆に富んだファッションで知られるコム デ ギャルソン。川久保は、1970 年代から常識を覆すイデオロギーをブランドに注ぎ込み、オーバーサイズなシルエットやぶつかり合うプリント、コンセプチュアルで建築的な美学を武器に挑戦を続けてきました。彼女がいなければ、今頃ファッションの世界はもっとつまらないものになっていたでしょう。

 

 

 

#02 Comme des Garçons Homme

コム デ ギャルソン・オム

 

1978 年〜

 

1978 年頃、川久保はコム デ ギャルソン初のメンズ向けライン、コム デ ギャルソン・オムを発表しました。現在は、渡辺淳弥がデザイナーを務め、コム デ ギャルソンの DNA を受け継いでいます。

 

 

 

#03 Comme des Garçons Homme Plus

コム デ ギャルソン・オム プリュス

 

1984 年〜

 

メンズコレクションラインのコム デ ギャルソン・オム プリュス 。川久保が得意とする独創的なビジョンを、ウィメンズウェアからメンズウェアへとダイレクトに落とし込んでいます。アバンギャルドで奇抜なファッションを好む世界中のファンから支持されています。

 

 

 

Comme des Garçons、Comme des Garçons Homme、Comme des Garçons Homme Plus のアイテム

 

 

 

#04 Comme des Garçons Homme Deux

コムデギャルソン・オム ドゥ

 

1987 年〜

 

コム デ ギャルソン オム ドゥは、川久保が手掛けたコム デ ギャルソンをプレッピーに解釈したビジネスウェアライン。日本の伝統的な技術を駆使し、昔ながらのユニフォームをテーマに、クリーンなブレザーやスクールボーイ風のネクタイ、かちっとした構築的なパンツなどのアイテムを提案しています。

 

 

 

#05 Comme des Garçons SHIRT

コム デ ギャルソン・シャツ

 

1988 年〜

 

コム デ ギャルソン・シャツは、その名の通り「シャツ」というアイテムの可能性を探るというコンセプトのラインで、コム デ ギャルソンの中でも最も人気のあるブランドの一つ。アート、ストリートの影響を比較的強く受けたラインで、ストリートアーティストとのコラボレーションなどでも知られています。

 

 

 

#06 Comme des Garçons, Comme des Garçons 

コム デ ギャルソン コム デ ギャルソン

 

1993 年〜

 

コム デ ギャルソン コム デ ギャルソン、通称<コムコム>は、川久保玲のパーソナルな世界を表現しています。ブランドのエッセンスをよく表したベーシックスタイルを提供しており、彼女自身が最もよく着用するブランドとも言われています。
 

 

 

Comme des Garçons Homme Deux、Comme des Garçons SHIRT、Comme des Garçons, Comme des Garçons のアイテム

 

 

 

 

#07 Junya Watanabe Comme des Garçons 

ジュンヤ ワタナベ コム デ ギャルソン

 

1992 年〜

 

渡辺淳弥が手がけるジュンヤ ワタナベ コム デ ギャルソンは、シャープな仕立て、脱構築的なデザイン、パッチワークやツイード、デニム、チェックモチーフなどが特徴。コム デ ギャルソンでパタンナーを務めた彼は、トリコ・コム デ ギャルソンのデザイナーを経て、自身の名を冠したコレクションを発表するようになりました。LOEWE(ロエベ)や Moncler(モンクレール)などとの協業でも知られ、コム デ ギャルソンブランドを代表するラインの一つです。

 

 

 

 

#08 Junya Watanabe Comme des Garçons Man 

ジュンヤ ワタナベ コム デ ギャルソン マン

 

2001 年〜

 

渡辺淳弥は、2000 年代初頭からメンズウェアも手掛け始めました。ジュンヤ・ワタナベ・コムデギャルソン マンと名付けられた独立メンズラインを設立し、ウィメンズと同様にパッチワークやタータン、日常的なシルエットの脱構築を重視したプログレッシブなコレクションを提案しています。

 

 

 

#09 PLAY Comme des Garçons

プレイ・コム デ ギャルソン

 

2002 年〜

 

アイコニックなハートをモチーフにしたプレイ・コム デ ギャルソンは、ロゴは Filip Pagowski(フィリップ・パゴウスキー)によるものです。 T シャツ、スウェット、シャツ、カーディガンといったアイテムは、ベーシックながら上質な素材と仕立てで人気を博しています。
 

 

 

 

Junya Watanabe Comme des Garçons、Junya Watanabe Comme des Garçons Man、Play Comme des Garçons のアイテム

 

 

 

 

#10 BLACK Comme des Garçons

ブラック・コム デ ギャルソン

 

2008 年〜

 

川久保玲は、2008 年にブラック・コム デ ギャルソンをローンチ。 経済危機の時代にこのようなことができたのは彼女だけでした。スニーカーのような戦略に焦点を当て、黒と白を基調とした難解なレジャーウェアを展開しています。

 

 

 

#11 Comme des Garçons Girl

コム デ ギャルソン ガール

 

2015 年〜

 

コム デ ギャルソン ガールは、コム デ ギャルソンの世界観を極めてガーリーに表現したブランド。制服がコンセプトということもあり、デザインにも素材にもスクールユニフォーム的な要素が取り入れられています。中でもジャンパースカートがアイコニックなアイテム。
 

 

 

#12 CDG

シーディージー

 

2018 年〜

 

大胆で洗練された CDG は、ロゴを中心としたアイテムを扱うD2Cのブランド。創業当初からオーガニックマーケティングに頼り、根強い人気を誇っています。コム デ ギャルソンの中で比較的新しいラインの一つです。

 

 

 

BLACK Comme des Garçons、Comme des Garçons Girl のアイテム

 

 

 

 

 

 

Comme des Garçons のコラボスニーカー

 

 

PLAY Comme des Garçons x Converse

プレイ・コム デ ギャルソン x コンバース

 

プレイ・コム デ ギャルソンとコンバースのコラボレーションは、一際人気です。誰もが待ち望んでいた《Chuck Taylor》は、クラシックなシルエットをプレミアムにアレンジしたもので、ファッションを楽しむことを思い出させてくれるもの。

 

 

Comme des Garçons SHIRT x Supreme x Vans

コム デ ギャルソン・シャツ x シュプリーム x ヴァンズ

 

前述の通り、コム デ ギャルソン・シャツはメンズのベーシックアイテムに重点を置いていることもあり、ヴァンズとのコラボレーションは非常に理にかなっていると言えるでしょう。シュプリームとのパートナーシップにより、コム デ ギャルソンは2010年代初頭から、典型的なシャツのプリントやシュプリームのボックスロゴでブランドのフットウェアを一新してきました。

 

 

Comme des Garçons x Nike

コム デ ギャルソン x ナイキ

 

業界を牽引する 2 大ブランドが手を組んだ、コム デ ギャルソンとナイキのコラボレーション。ビジューつきの《Nike Shox》スニーカーから、蛍光ピンクの《Nike Air 180》まで、どのシルエットも絶大な人気を集めました。

 

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