元記事(英文) BY KATIE HILL
フェイクファーの歴史は1920年代にまで遡ることができるが、昨今の90年代ファッショントレンドの影響もあってか人気が再燃している。派手なファーアクセサリーやネオンカラーのフェイクファージャケットを思い浮かべてみてほしい。
ありがたいことに、最近のフェイクファーは当時よりも改良が加えられている。マットなオレンジ色のファーから、ソフトで大人っぽく、時には繊細なフェイクファーコートへと進化した。
フェイクファーとは?
70年代に入って動物愛護団体の赤塗り抗議デモが始まり、フェイクファーが登場した。当初は、動物の毛皮を再現することを目的に合成繊維を用いたフェイクファーが作られていたが、最近はテディベアコートのようなフェイクファーもあり多種多様だ。
フェイクファーはサステナブルでエシカルなのか
答えはイエスでもあり、ノーでもある。フェイクファーがクルエルティーフリーであることは確かだ。しかし、倫理的な意味合いが環境への影響を上回るかどうかは消費者の選択にかかっている。例えば、Apparis(アパリス)やStand Studio(スタンド スタジオ)のようなブランドは、リサイクルされたポリエステルや植物由来の繊維を使用してフェイクファーを作っており、持続可能なファッションの実現に向けて大きく前進している。オーガニック染料を選び、小ロット生産で廃棄物を最小限に抑えている。さらにはPETA認定を受け、推奨されているブランドでもあるのだ。これについては議論の余地がない。
もちろん、あなた自身がコートを丁寧に扱い、長く着用すればその持続性を高めることができる。コートの質が高いほど良い。
フェイクファーは暖かい?
フェイクファーは冬の厳しい寒さから身を守ると同時に、動物たちを救うことができる。暖かさに関しては本物のファーにはかなわないかもしれないが、アウターウェアの中では最もコスパの良いスタイルの一つだ。
少し科学的な話になるが、フェイクファーは本物の毛皮のように空気を閉じ込めて断熱材の毛布を作り、保温性を高めてくれる。寒い気候の場合には、全面に裏地がついたパイルが厚めのロングフェイクファーコートを選ぶと良いだろう。
フェイクファーコートの洗い方
ほとんどの場合、フェイクファーコートはドライクリーニングに出すのが最も賢明な方法である。ただし、その場合も注意が必要だ。フェイクファーは熱に弱いことを知っておこう。
自宅で自分でお手入れすることも可能だが、シャギーで毛の長いタイプは結び目ができやすいのでお勧めしない。少量の洗剤(ヘアコンディショナーでも可)をつけて冷たい水で手洗いしよう。アイロンは使わないように注意。
最高のフェイクファーコートを作っているブランド
クラシックなヴィンテージファーの雰囲気を求めるなら、PETA承認を受けているUnreal Fur(アンリアル・ファー)とLa Seine & Moi(ラ・セーヌ&モア)がおすすめだ。今は亡きKarl Lagerfeld(カール・ラガーフェルド)が残した「シックなフェイクはできないが、フェイクファーを着てシックになることはできる」というモットーを踏襲しており、ヒョウ柄のコートから、クラシックなクロップド丈の白のフェイクファーコート(冬の結婚式に最適!)まで展開している。
もう少し非現実的でシュールなものをお求めなら、Gucci(グッチ)とBotegga Veneta(ボッテガ・ヴェネタ)がおすすめ。鮮明なブラック&ホワイトの巨大な千鳥格子プリント、あるいはタッセル付きのイエローテディコートがお好みだろうか?どちらにせよ、暖かさを犠牲にすることなくアウターで主張することができる。
そしてもちろん、シャーリングのフェイクファーコートもある。PETA公認ブランドであるStella McCartney(ステラ・マッカートーニー)は、今ほどクルエルティーフリーファッションがクールなものとして認知される以前からサステナブルを提唱してきた。彼女がデザインしたウィメンズのフェイクファーコートはその証だ。美しくソフトでラグジュアリーなStella McCartneyのコートは、最もスタイリッシュで暖かいアイテムのひとつである。
Stand Studioはフェイクファーのジャケットやコートにも力を入れている。ピンクのフェイクファージャケットやオーバーサイズのテディコートなど、遊び心満点だ。