元記事(英語) BY STEPHEN YU
Nike Dunkの誕生
根強い人気を持つ名品スニーカー、 Nike Dunk (ナイキ ダンク)。初代は1985 年にバスケットシューズとして登場しました。同時期には、 Air Jordan1 (エアジョーダン1 )や Terminator(ターミネーター)が発売されています。Dunk のソールにはエアが搭載されていませんが、当時バスケット界で最高と言われていた Nike Legend(ナイキ レジェンド)をベースにしており、優れたフィット感を誇ります。
アメリカでは NBAと並んで人気の NCAA(全米大学体育協会)ですが、そのトーナメントに出場する強豪校に支給されたのが Dunk でした。それぞれのチームのカラーを落とし込み、当時のバスケットボールシューズでは珍しかった大胆なカラーブロッキングを施したことも話題に。さらに、「Be True To Your School(母校に忠実であれ)」というメッセージを掲げた広告キャンペーンによって、大学バスケットボールファンたちを熱狂させました。
スケーターからストリート、そしてファッションへ
そんな流行も一度は落ち着きましたが、そこで Dunk に目をつけたのは、その優れた機能性に惹かれたスケートボーダーたちでした。バスケットシューズとして誕生した Dunkは、こうしてストリートを席巻します。
90年代にヴィンテージスニーカー熱が高まっていた日本でも Dunk は大ブレイク。スニーカーファンの間で珍重される存在になっていました。1999年には、日本限定で復刻版 Dunk Low Pro (ダンク ロー プロ)が発売されています。
そして2002年、ついにスケートボードライン Nike SB から、本格的なスケートシューズとして SB Dunk が登場。クッション性とグリップ力を増し、インソールに Zoom Air (ズームエア) を搭載したことで、さらなる快適さが加わりました。
90年代半ばから、Dunk は単なるパフォーマンスシューズの域を脱し、ファッションの世界へと領域を拡大しつつありました。そんな過渡期に登場した SB Dunk が、様々なブランドとのコラボレーションを通じて、ファッションの世界におけるその地位を確固たるものにしたのです。Supreme(シュプリーム)や Stussy(ステューシー)、Futura(フューチュラ)、Unkle(アンクル)といったストリートカルチャーを代表するブランドから、eBay(イーベイ)、Heineken(ハイネケン)まで、多様な企業と協業してきました。
そして2019年頃から、第三の Dunk ムーブメントが巻き起こっています。 Soulland(ソウルランド)やComme des Garçons(コム デ ギャルソン)とのコラボレーションを皮切りに、ラッパーの Travis Scott(トラヴィス・スコット)が手がけたモデルも話題を集め、その熱が冷める様子はありません。
本記事では、Nike Dunk を愛用する 4 人のインフルエンサーたちが、コーディネートのポイントや、サイズ、フィット感について語ってくれました。
Dunkは表記通りのフィット感
Li-Anne Kuek (@monsieurbanana)
Nike Dunk の歴史は古いけれど、いつの時代もスニーカー界を代表する存在です。最近ではレトロなカラー展開や Off-White(オフホワイト) 、StrangeLove Skateboards(ストレンジラブ スケートボード)、Travis Scott(トラヴィス・スコット)、Ben & Jerry's(ベン & ジェリーズ)とのコラボレーションで再燃しましたね。特にVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)率いる Off-White が2020年春夏コレクションで披露した《Off-White X Futura Nike Dunk》は、私のようなスニーカーヘッズを興奮させました。長い歴史を持つ、クラシックでタイムレスな Nike Dunk。日々のスタイリングに欠かせないアイテムです。
コーディネート
今日は Nike SB StrangeLove Dunk Low を履いています。遊び心のあるレッド×ピンクの配色とベルベットのアッパーがポイント。2020年にリリースされたスニーカーの中で一番気に入っているモデルの一つです。 Dunk スニーカーには Nike ACG(ナイキ ACG)のカーゴパンツやバイクショーツ、ソックスを合わせることが多いですね。
サイズとフィット感
Dunk はサイズ通りのフィット感なので、普段履いている Nike のスニーカーと同じサイズをおすすめします。 Air Jordan 1 と比較するとつま先に少し余裕がありますが、その差は非常にわずかなので、サイズアップ、あるいはダウンする必要はないと思います。
バスケットボールシューズとして誕生し、スケート用に開発されたのが Nike SBですから、快適さは間違いありません。毎日履けるシューズです。
お手入れ方法
レザー製の《Dunk》に汚れがついた時はウェットティッシュでさっと拭き取りましょう。スニーカーは履くために作られたものなので、多少の汚れがついたりクタッとしてきてもあまり気にしないようにしています。
快適さを求めるならハーフサイズアップも
「Be True To Your School」のキャンペーンと共にリリースされたオリジナル Dunk のカラーバリエーションとぱきっとクリーンな色使いにとても惹かれました。シルエットは兄弟モデルである Air Jordan 1 に似ていて、とても履きやすいのが良いですね。ソールがスリムで、ぼってり見えないところも気に入っています。
コーディネート
今日は1999年の Dunk High Syracuse (ダンク ハイ シラキュース)を履いています。ミシガンと並んで好きな色ですね。よくカーゴパンツやコーデュロイなんかの、バギーフィットのボトムスを合わせています。スリムなシルエットのスニーカーは、ワイドなボトムスと相性が良いと思います。ショートパンツやジョガーも良いですね。
サイズとフィット感
Dunk はサイズ表記通りのフィット感ですが、Air Force 1 や 1 以外の Air Jordan と比べるとやや幅が狭い印象なので、ハーフサイズアップしても良いかもしれません。例えば、あなたが Air Force 1で UK8 (日本サイズ 27cm、US サイズ 9)なら、Dunk は UK 8.5 サイズ(日本サイズ27.5cm、US サイズ 9.5)がぴったりなはず。Air Jordan 1 のような幅の狭いモデルと比べる場合は、同じサイズを選んでも大丈夫だと思います。
Dunk はレトロなモデルなので、Nike の他の最新作に比べると快適さは劣るかもしれません。数時間歩く程度なら問題ないですが、丸一日街中を歩き回るとなると少し疲れますね。
お手入れ方法
自分の持っている靴はできるだけ綺麗に保つようにしていますが、Dunk に関してはほとんどお手入れしません。履きこんでいるほうが格好いいし、ヴィンテージな感じが好きなんです。綺麗に保ちたいなら、スニーカー用のクリーニングクロスか柔らかいブラシを使って汚れを落としましょう。
小さめサイズはハーフサイズアップがおすすめ
Savannah Keenan (@savannahstaceykeenan)
ロンドン在住スケートボーダー
Nike Dunk は定番だし、見た目も最高。今はファッションやストリートウェアを愛するスケートボーダーでだけど、学校ではバスケをやっていたんです。そんな私にとって、ファッションもストリートもスケートもバスケットも、すべてのカルチャーを横断するこのシューズは必需品。
コーディネート
今日はパープル、ネイビー、グレーを使った SB Dunk Low を履いています。Nike SB Dunk は耐久性に優れているので、ラフなスケートをしても傷ついたりしません。それだけでなく、今日のようにスケートをしない日にも履くんですよね。これはユニークな色づかいに惹かれたんですが、トラウザーズよりもジーンズやショートパンツとスタイリングするのが好きです。
サイズとフィット感
スポーツメーカーやハイファッションも含めた他のブランドと比べると、Dunk だけでなく、Nike 全般のサイズが小さいなと感じることが多いです。私は UK サイズで 3(日本サイズ 22.5cm、US サイズ 5.5)なので、そのせいかもしれません。Nike ではいつもハーフサイズアップして UK 3.5 を履いています。Dunk はしっかりとした作りで快適。さらに SB Dunk はクッション性がアップしているので、スタイル、耐久性、パフォーマンスに加えて、しっかり足をサポートしてくれます。
お手入れ方法
SB Dunk はシンプルなので、お手入れするのに余計な手間は一切かかりません。ハイブランドのスニーカーですごく複雑な構造のものを持っているんですが、これは汚れが厄介な場所に溜まってしまうことがあるんです。
素材やディテールによってはフィット感に差が
Christopher Blumenthal (@christopher)
オリジナルの Dunk コレクターというわけではないんですが、十代の頃はずっとスケートボードをやっていたので、スケートシューズが好きなんです。Nike Air Jordan 1 を愛用しているので、似た雰囲気を持つ Dunk に魅力を感じました。色々なバリエーションで復刻しているのは嬉しいですね。Dunk のカラーにはそれぞれコンセプトがあり、テクスチャーや素材選びにもそれが反映されている。
デザインだけでなくその背景にあるコンセプトもクールな Dunk はまさに<マストハブ>。他のアイテムとスタイリングしやすく、様々なコーディネートにマッチします。 バリエーションが豊富なので、スタイリングの雰囲気に合わせて選ぶのも楽しい。キャッチーなモデルでアクセントにしても良いし、クリーンなペアでミニマルなスタイルに仕上げるのもありですね。Dunk はシンプルながらよくデザインされていて、開発した Nike の努力がうかがえます。
コーディネート
今日は Dickies(ディッキーズ)のオリーブカラーのワークパンツに、オーバーサイズのシャツを合わせました。特に何てことはない、クールなプリントのあるホワイトのシャツです。これが私の定番スタイルです。最近は少しワイドなシルエットのボトムスが戻ってきているのが嬉しい。Travis Scott や Orange Box 時代の SB Dunk に合わせるのがお気に入りです。
サイズとフィット感
それぞれの足の形で違うのもそうだし、素材やディテール(SB Dunk はスケート用なのでクッションが厚い)の違いでフィット感にばらつきが生じることもあります。Dunk の快適さは Air Jordan 1 や Air Force 1 と同レベルです。スケートをするなら別ですが、パフォーマンスシューズかと言われると少し違う。Dunk はデザインの優れたライフスタイルシューズで、一日履いても疲れません。長い時間履いていても、ひどく締め付けられたり足が痛くなる、といった事態にはならないはず。
お手入れ方法
Dunk スニーカーの中には特別なケアが必要なモデルもありますが、それはアッパーの素材によります。 SB Dunk Papa Bear を持っている人は、少し不安に思ったことがあるかもしれません。ふわふわの素材の上に飲み物をこぼしているところを想像してみてください。そもそも汚さないようにすることが一番肝心です。濡れた布で少し拭くだけで綺麗になるレザーアッパーを採用したモデルもあるので、お手入れ方法まで考慮した上で購入してくださいね。