元記事(英語):JOSEPH FURNESS
カルト的な人気スニーカーの元祖として知られるAir Jordan 1 ハイカットは、1985年の発表以来、浮き沈みはあるもののメインストリームファッションの定番であり、時代遅れになったことはありません。そのため、このクラシックなスニーカーが、多くのスニーカーのベースとなっていることにも頷けます。
スタイルコンシャスな読者は知っていると思いますが、Air Jordan 1には数えきれないほどのカラーバリエーションがあります。そして皮肉にも、なかなか手に入りません。ただ、ファーフェッチにはAir Jordan 1 Retro High OG ‘Shattered Backboard’や、Off-White(オフ・ホワイト)が手がけたAir Jordan Retro High OG ‘Chicago’といった最も人気の高いスタイルが揃います。今回は、そのなかから厳選した20足をご紹介。
Air Jordan 1 Retro High OG ‘Crimson Tint’
2019年春、Jordan(ジョーダン)ブランドのアイコニックな‘Bred’(ブラック×レッドのこと)カラーのレッドが、パステルカラーの季節にふさわしいピンクに変わって登場しました。‘Crimson Tint’と名付けられたこのモデルは、春の着こなしに甘さを加えるのにぴったりです。
A Ma Maniére × Air Jordan 1 High OG 'Sail and Burgundy'
2021年に発売されたAir Jordan 1で最も人気のあるモデルのひとつが、A Ma Maniére(ア マ マニエール)× Air Jordan 1 High OGです。注目すべきは、セイルとバーガンディのソウルフルな配色。黒人コミュニティの強さを讃えるため、黒人オーナーが経営するアトランタのブティックA Ma Maniéreがデザインを手がけました。両ブランドのハングタグや、キルティングが施されたライニング、スネークパターンレザーの<スウッシュ>といったディテールが、特別感を醸し出しています。
Air Jordan 1 Retro High OG ‘Pollen’
Air Jordan 1 Retro High OG ‘Pollen’ は、意外なところから着想を得ています。それは、なんと謙虚なマルハナバチ。そのハチミツをつくる昆虫と同じように一目でわかる配色でありながら、深みのあるイエローとジェットブラックの絶妙なバランスで、主張しすぎることのない一足に仕上がっています。
Fragment × Air Jordan 1 Retro High OG
2014年にFragment(フラグメント)× Air Jordan 1を制作するとき、藤原ヒロシは1984年頃にデザインされた元祖Air Jordan 1のサンプルから着想を得て、ディープブルートーンを選びました。ただ、そんな色使いだけでなく、上質なレザーやFragmentのロゴがデザインに取り入れられているところも魅力です。
Air Jordan 1 Retro High OG ‘Spider-Man Origin Story’
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の公開を記念し、Jordanブランドは、主人公のMiles Morales(マイルス・モラレス)が作中で履いていたスニーカーを再現したAir Jordan 1 High ‘Chicago’ を発売しました。アイシーブルーのアウトソールやスパイダーマンを想起させるレッドとブルーのタンタブ、リフレクティブ加工のドットなど、スーパーヒーローにふさわしいスペシャルエディションです。
Air Jordan 1 ‘85 ‘Neutral Gray’
私たちはAir Jordan 1 Retro High OGに慣れ親しんでいますが、このAir Jordan ‘85モデルは、1985年にMicheal Jordan(マイケル・ジョーダン)が履いていたシューズを最も忠実に再現したレプリカになっています。OGとの違いは、 ‘85モデルの方がやや高さがあり、少し幅が狭く、より上質な素材を使用しているところ。特に‘Neutral Gray’はベストな配色ではないでしょうか。
Air Jordan 1 Retro High OG ‘Shattered Backboard 3.0’
もともと2019年のハロウィンシーズンに発売された、Air Jordan 1 ‘Shattered Backboard 3.0’。パンプキンカラーとバニラトーンを深みのあるブラックに合わせることで、ハロウィンのお菓子のような色合いに仕上げられています。熱心なコレクターとは意見が異なるかもしれませんが、私たちは’Shattered Backboard’三部作のなかで最も優れた一足だと思います。
Air Jordan 1 Retro High OG ‘Shattered Backboard’
上の‘3.0’が個人的なお気に入りではありますが、Air Jordan 1 OG ‘Shattered Backboard’も素晴らしい一足です。このヒトデのようなオレンジのスニーカーは、Chicago Bulls(シカゴ・ブルズ)でのファーストシーズンにジョーダンが出場した、ある試合を物語っています。
1985年、イタリアのトリエステで、Nike(ナイキ)が開催したエキシビションマッチに参加した彼は、オレンジとブラックのジャージーを身に着け、Stefanel Trieste(ステファネル・トリエステ)の一員として、Juve Caserta(ユヴェ・カゼルタ)と対戦しました。その試合でダンクを決めたジョーダンは、勢い余ってガラス製のバックボードを粉々にしたという伝説を残したのです。それから30年後、Jordanブランドはそんな歴史的瞬間を記念して、Stefanel Triesteのチームカラーを落とし込んだスニーカーを発売しました。
Off-White × Air Jordan 1 ‘Chicago’
2017年を代表するOff-White(オフホワイト)× Nike ‘The Ten’シリーズは、どれも素晴らしいですが、なかでも一番は間違いなくOff-White × Air Jordan1‘Chicago’。典型的な‘Chicago’のカラーリングは、傑作と呼ぶにふさわしい一足です。
Union × Air Jordan 1 High OG ‘Black Toe’
Jordanブランドは2018年、カリフォルニアを拠点するブティック、Union LA(ユニオン ロサンゼルス)とコラボレーションしました。そのときに生み出されたのが、Air Jordan 1史上最高の配色のひとつである‘Black Toe’です。
その名のとおり、このカラーリングは、クラシックな<つま黒>の色合いを反映させたもの。さらにUnionは、ジグザグステッチや、控えめながらも鮮やかなブランドタグ、切りっぱなしのシュータン、イエローのミッドソールといったディテールを加え、存在感ある一足に仕上げました。
Dior × Air Jordan 1 High
Dior(ディオール)× Air Jordan 1 Highは、スポーツウェアとハイファッションの境界線が曖昧になった今の時代を象徴する究極の一足です。
遠くからは普通のAir Jordan 1 Highのようですが、近づいてよく見ると、上質な素材を使って丁寧につくられていることが分かります。そして、トーナルカラーでサイドにあしらわれたDiorの<Oblique>パターン入りスウッシュが決定的な違いを生み出しています。
Air Jordan 1 Retro High OG ‘Shadow’
熱心なスニーカーコレクターにとっては常識ですが、コラボレーションモデルの次に人気が高いのは、Jordanのオリジナルカラーです。当然、このトーナルカラーで仕上げられた1985年の‘Shadow’もそんな一足であり、2018年に復刻されました。
今回のラインアップに‘Shadow’が入ったのは、歴史的な理由だけでなく、市場に出回っているJordan 1のモデルのなかでも幅広いスタイルに最も合わせやすい配色でだから。グレー、ブラック、ホワイトのシューズに合わせられないものなんてありません。
Air Jordan 1 Retro High OG ‘Banned’
オリジナルと言えば、最初に発表された配色であるAir Jordan 1 ‘Banned’も2016年に復刻されました。
その名の由来を簡単に説明すると、ジョーダンのために最初につくられた‘Bred’カラーのAir JordanはNBAの試合で履くことを禁じられたため、Nikeはこの配色を ‘Banned(禁止)’と名付けました。そして今でも、このブラックとレッドのスニーカーは、誰もが欲しがる反骨精神の象徴となっています。
Trophy Room × Air Jordan 1 Retro High OG ‘Chicago’
Jordanブランドは、2021年にジョーダンの息子であるMarcus Jordan(マーカス・ジョーダン)の経営するオーランドのブティック、Trophy Room(トロフィルーム)とコラボレーション。煌めきを放つAir Jordan 1を発表しました。エイジド加工が施されたこのモデルは、Chicago Bullsのチームカラーやジョーダンのサイン、スターモチーフ入りのソールなど彼が初出場した1985年のNBAのオールスターゲームをデザインに反映し、着用者を当時へと誘ってくれます。
Air Jordan 1 Retro High OG ‘Royal’
オリジナルのカラーリングを収集したいという方は、Air Jordan 1 Retro High OG ‘Royal’をリストに加えましょう。1985年に登場したこのモデルは、ジェットブラックのアッパーとブライトホワイトのミッドソールに、美しいロイヤルブルーでアクセントを効かせたインパクトある配色になっています。
Air Jordan 1 Retro High OG ‘Obsidian’
Air Jordan 1 Retro High OG ‘Obsidian’は、ジョーダンの母校(ノースカロライナ大学)を反映したカラーが際立つ一足。要するに、同校のシグネチャーであるブルートーンが、クリームとネイビーのスニーカーにポップな個性を加えています。もちろん、このスニーカーはブルージーンズとの相性抜群です。
Air Jordan 1 Retro High OG ‘Metallic Purple’
Air Jordan 1のデビューと同じ年に、Jordanブランドは ‘Metallic Red’、‘Metallic Green’、‘Metallic Orange’、‘Metallic Purple’という4つの配色でメタリックシリーズを発売しました。その数十年後、‘Metallic Purple’が満を持して復刻。予想通り、この印象的なカラーは、瞬く間にスニーカーファンを魅了しました。
Aleali May x Air Jordan 1 Retro High OG ‘Shadow’
Jordanブランドは、コラボレーターの選出にとても慎重であり、特に女性コラボレーターにはこだわりがあります。だからこそ、アイコニックなAir Jordan 1のカラーリングに新鮮さをもたらすべく、2017年にほぼ無名のAleali May(アレイリ・メイ)が選ばれたとき、特別なスニーカーが生まれるということがすぐ分かりました。 コーデュロイ、サテン、シェニール織りの素材でつくられたAleali May × Air Jordan ‘Shadow’は現在、Air Jordan 1の歴代モデルのなかで最高にクールな一足だと広く認められています。
Air Jordan 1 Retro High OG Defiant SB ‘LA to Chicago’
Air Jordan 1 ‘LA to Chicago’には、巧みな仕掛けがあります。Nike SB(ナイキ スケートボード)とJordanブランドがタッグを組んでデザインした‘LA to Chicago’で使用しているのは、レイヤードされたレザー。活発なスケーターが履くことで、ゆっくりと、でも確実に、シューズの真のカラーが現れるようになっています。購入時はロサンゼルスのバスケットボールチームであるLA Lakers(ロサンゼルス・レイカーズ)のチームカラーが反映された一足に見えますが、実はChicago Bullsのチームカラーが隠されているのです。
Air Jordan 1 Retro High CO.JP ‘Midnight Navy’
2000年代初め、Nikeは日本限定モデルにCO.JP(コンセプト・ジャパン)というタグを付けていました。それから約20年を経て、《CO.JP》コレクションの数モデルが復刻され、全世界のスニーカーファンに向けて発売されました。なかでも目を引くのは、Air Jordan 1 ‘Midnight Navy’。シルバーのスウッシュディテールに注目です。