trends & subcultures2021年8月17日火曜日

メンズスカート:4人のスタイルインスピレーション

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元記事(英語):JOSEPH FURNESS

あらゆる身分の男性たちが何世紀にも渡って、その快適さや柔軟性、そして、すぐに身に着けられることからスカートを着用してきた。しかし現代に入ると、不愉快なジェンダー規範がファッションに影響を及ぼし、マーベル映画の<Thanos(サノス)>のようにメンズウェアの世界からスカートを無残に奪ってしまった。突如、スカートは女性のためだけのものになり、スコットランド人男性が伝統服のキルトを身に着けること以外、男性がスカートを穿くことはタブーになっていった。

 

幸いにも、今日のデザイナーはあらゆるジェンダーに向けてスカートをつくり、世界で最も賞賛されている紳士の中にも自らが着用することでメンズウェアのメインストリームにスカートを取り戻そうとしている人もいる。Harry Styles(ハリー・スタイルズ)は『Vogue(ヴォーグ)』の表紙でWales Bonner(ウェールズ・ボナー)のスカートを纏い、Odell Beckham(オデル・ベッカム)はThom Browne(トム・ブラウン)のプリーツスカートでメットガラに来場。Jaden Smith(ジェイデン・スミス)も、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)の広告キャンペーンでスカートを着用した。ゆっくり、しかし確実に慣習は変わり始めている。

 

今回は、自身のスタイルにスカートを取り入れることで新境地を開拓している、もしくは古くからの概念を覆そうとしている4人の賢明な男性にインタビュー。それぞれのスカートの纏い方や、スカートを穿こうと思ったきっかけ、スカートを楽しむ理由などを聞いた。

Fabio Heydorn(ファビオ・ヘイドルン) (@barbiedrugz) (He/Him)

ベルリン在住モデル/クリエイター、Maison Margiela チュールオーバーレイ スカートを着用

 

今日のスカートルックについて教えてください。

このスカートを選んだのは、素材が描くドレープが大好きだから。このレッドの色味も気に入っています。ワードローブはほとんどが黒なので、スタイルにポップの差し色をプラスしてみました。

 

今日は、スカートに素敵なシャツを合わせ、ルックにボリュームを出しました。仕上げに、お気に入りのバッグとブーツなど重めなブラックとシルバーの小物を加えて、スカートのフェミニンなムードとのバランスを取っています。 

 

スカートのブランドは?

このスカートは、Maison Megiela(メゾン・マルジェラ)のもの。数年前にアイコニックな《Tabi》ブーツに出合ってからというもの、パリ発のこのブランドが大好きになりました。それ以来、そんなブランドの伝統にとらわれないデザインに夢中です。

 

Maison Margielaで特に気に入っているのは、同系色でまとめたスタイルに焦点を置いているところ。プリントや鮮やかなカラーコンビネーションでなく、シェイプやデザインで服の魅力を引き出しています。

 

初めてスカートを履こうと思ったのはいつでしたか?

逆に、今までスカートを履かないと決めたことはありませんでした。私にとって、ファッションとはジェンダーロール(性別によって期待される役割)や社会的基準ではなく、それどころか自由そのもの。私が自ら選んで身に着ける服は、ジェンダーアイデンティティや性的指向を物語るものではありません。なので、服選びに制限はいらないと考えています。

 

スカートを履くきっかけとなった人物や出来事は?

自分が着たいものを着ている人から、大きな影響を受けています。最大のスタイルインスピレーションの一人は、Lady Gaga(レディー・ガガ)。13歳の頃からずっと尊敬しています。Gagaは境界線を打ち破りながらファッションを楽しみ、常にスタイルに斬新さを取り入れています。自分に正直でいること、そして、周りからの批評や制限を恐れないことを常に思い出させてくれるんです。

 

もっと多くの男性がスカートのスタイリングに挑戦すべきと思いますか?

はい、もちろん!男性はスカートを穿くことで、精神的にも肉体的にも自由になれると思うんです。私のようなスカートを穿く人たちが、他の誰かのきっかけになり、いずれ<有害な男らしさ>が無くなることを望んでいます。

 

誰もが着たいものを着ていいと思えるようになったとき、社会はもっと楽しくなるでしょう。自分らしくいられることで、喜びに満ち溢れ、より生活しやすくなるのではないでしょうか。

Louis(ルイス)(@louisrubi)

バルセロナ在住デザイナー/ブランド創業者、Maison Margiela テーラード レーヤードスカートを着用

 

今日のスカートルックについて教えてください。

レイヤードは、私のスタイルに欠かせません。どこからどこまでが一着なのか分からなくなって、服と服が融合する感じが好きなんです。このスカートは、もともと2枚のスカートが1つになったデザイン。そして、下にはパンツを合わせています。

 

スカートのブランドは?そのブランドが好きな理由は?

今日のスカートは、私が共感を覚えるMaison Margielaのものです。パリ発のこのブランドは、プロポーションで遊び、コンテンポラリーファッションの規範を見直しながら、このピースをつくり上げたんだと思います。

 

スカートを身に着けることは、どのように自己表現につながりますか?

私は期待を裏切り、ジェンダーの規範に挑むことに情熱を注いできました。スカートを履くことは、その象です。

 

初めてスカートを穿こうと思ったのはいつでしたか?

初めてスカートを買ったのは、東京へ行ったとき。日本でスカート(袴)は、あらゆるジェンダーの人が着られる伝統的な服だとみなされています。

 

もっと多くの男性がスカートのスタイリングに挑戦すべきと思いますか?

より多くの男性がスカートを穿くべきだと思います。というのも、服にジェンダーはあるべきではないから。自分をハッピーにしてくれるものを纏うことは、正しいことです。

 

スカートは着る人をとてもマスキュリンに見せると、常に思っています。世間は、スカートを穿いた男性を見慣れていないかもしれませんが、女性と同じように男性が身に着けても自然だと思います。

 

もし、あなたが男性でスカートを穿いてみたいと思っていて、まだ迷いがあるのなら、スカートの下にパンツを合わせてみてはいかがでしょうか。先にも言った通り、私はレイヤードが好きで、よくパンツの上にスカートを合わせます。

 

Ross(ロス)(@rossjahunter) (He/Him)

ロンドン在住クリエイター、Polo Ralph Lauren プリーツ キルトスタイルスカートを着用

 

今日のスカートルックについて教えてください。

今日は、2種類のタータンがあしらわれた、かわいいプリーツのミニスカートを穿いています。私はスコットランド人なので、この柄が自分のルーツを表現しているように感じ、まず惹かれました。それに、足を見せることが大好きな私にぴったりの丈なんです。

 

今回はスカートに、Claire Barrow(クレア・バロー)の大胆なスクリーンプリントのバンドTシャツとホワイトのプリント入りスリーブを合わせました。靴は、90年代のNew Rock(ニューロック)の白い炎モチーフがあしらわれたハイヒールブーツです。スカートと同様、男性がヒールシューズを履くことも自然になるべきだと思うんです。ルックの仕上げに、通常はウエストに巻く、伝統的なスポーランをクロスボディで合わせ、真鍮のキルトピンも付けました。

 

スカートのブランドは?

スカートは、Polo Ralph Lauren(ポロ ラルフ ローレン)です。普段から着ているブランドではないですが、このブランドのタータンのクオリティは、どこにも引けを取らないと知っていたので。コンサバティブなアメリカブランドのアイテムを、意外性のあるところに取り入れて楽しんでいます。私はRalph Lauren(ラルフ ローレン)の典型的な顧客ではないのですが、それが逆に面白さにつながっているんです。

 

初めてスカートを穿こうと思ったのはいつでしたか?

スコットランドで育ったので昔からキルトを着用していましたし、フォーマルなシーンでは必ずキルトを穿いていました。それがあったからこそ、家にあった衣装ケースや姉のワードローブで見つけた様々なスタイルを着てみようという気になったんだと思います。

 

スカートを身に着けることは、どのように自己表現につながりますか?

自分の外見に全く違和感のないクィアの一人として、私は異性愛を規範とする社会に適合しなければならないというプレッシャーを感じていません。というのも、他の人達にうまく溶け込んでいると感じることの方が少ないですからね。よりフェミニンに見せたい日もあれば、よりマスキュリンに見せたい日もある。そうかといえば、フェミニンにもマスキュリンにも見せたくない日もあるんです。

 

あらゆる角度からのファッションを試してみることで、望む通りの方法で自分自身を表現することができます。すでに話しましたが、多くの人が感じているような規範に沿った装いをしなければいけないというプレッシャーは感じていないので、自分が着たいものを何でも着ていいんだということを他の人に向けて証明したいですね。

 

スカートを履くきっかけとなった人物や出来事は?

ファッションに興味を持ち始めた頃、初めてスカートを履いてみようと思いました。今になって、洋服が満たさなくてならない唯一の条件は、きちんとフィットすることだと気付きました。

 

先にも言いましたが、私は他の男の子たちと同じように幼い頃からキルトを着て育ちました。そして年を重ねるにつれ、キルトやスカートを穿くことに関する規範を疑問視するようになったんです。スコットランド人の男性は、伝統とヘリテージとして喜んでスカートを穿くのに、キルト以外のスカートは一切穿きません。私には、それが全く理解できなかったんです。 

 

もっと多くの男性がスカートのスタイリングに挑戦すべきと思いますか? 

断然、もっと多くの男性がスカートを穿くべきだと思います。そして、この地球上のすべての人が、着たいと思う服を自信をもって試すことができるべきです。ショートパンツやパンツを合わせるよりもスカートの方が、素敵に見せられることもあるんですから。

 

女性には創造的自由が許されていて、社会的に女性は何を着てもいいとされています。男性が自分の中にあるフェミニンさを大事にすることを、<弱さのあらわれ>としてはいけません。むしろ、男性がスカートを穿くことは強さの表れだと思います。

 

Mark Bryan(マーク・ブライアン)(@markbryan911) (He/Him)

クライルスハイム在住ロボットエンジニア/ファッションモデル/インフルエンサー、Balmain モノグラムスカートを着用

 

今日のスカートルックについて教えてください。

今日は、ロゴスカートにドレスシャツ、ネクタイ、パンプスを合わせました。

 

特にこのスカートに惹かれた理由は?

このスカートの色とロゴパターンに惹かれました。ペンシルスカートを穿くのが大好きなので、このスカートのシルエットも気に入っています。

 

スカートのブランドは?

見てお分かりの通り、このロゴスカートはBalmain(バルマン)のもの。これまでも(主に雑誌のファッション撮影で)Balmainのスカートは穿いてきましたが、パリ発のこのブランドがつくるスカートの上質さとフィット感は、目を見張るものがあります。

 

スカートを身に着けることは、どのように自己表現につながりますか?

何よりもまず、私はヒールを履いて自己表現することが好きなんですが、最近になって、スカートを穿くことも同じくらい楽しいと感じると気付いたんです。ヒールも、パンツに合わせるよりスカートに合わせた方が素敵。私にとって、ルックを引き立ててくれるのが、スカートなんです。

 

 

初めてスカートを穿こうと思ったのはいつでしたか?

ヒールにショートパンツを合わせてもしっくりこなかったので、スカートを穿くようになりました。それに、ショートパンツはオフィス環境でひんしゅくを買いますよね。

 

スカートを履くきっかけとなった人物や出来事は?  

最も影響を受けたのは、TVドラマシリーズ『Suit/スーツ』に出演していたMeghan Markle(メーガン・マークル)です。作品の中で他の女性たちはドレスを着ていたのですが、彼女はいつもスカートとブラウスを着ていました。私は彼女のスタイルを真似て、スカートとヒールにマスキュリンなトップスを合わせるという自分のスタイルを確立していったんです。 

 

もっと多くの男性がスカートのスタイリングに挑戦すべきと思いますか?

はい、試すべきです。パンツに代わるスカートは、とても快適なもの。それに色合いやプリント、素材など種類も豊富です。 

 

ただし、すべての男性がスカートを穿くべきだというわけではなく、穿きたい人だけ穿けばいいと思います!そして、スカートを穿きたいのであれば、決してそれが恥ずかしいことではないと心に留めておいてくださいね!

 

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